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ステンドグラスの基礎知識 ビルボードステンドグラス写真

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はじめに

3.ステンドグラスのある空間・ない空間

新築工事の際、ステンドグラスの設置を前提で工事が進むと、竣工の時点でステンドグラスはすでに施工されています。通常この流れが工事の面でも無駄がなく、「ステンドグラスのあるお家にご入居」と云うことで気持ちのいいものだと思うのですが、ステンドグラスが入っていない状態を経験する事がないので、ステンドグラスによる空間の変化を感じて頂く機会はありません。
すでにお家が完成している、或いは築数年経過している、と云った場合でも勿論新たにステンドグラスのみを追加施工する事は可能です。その場合、ステンドグラスが入っていない状態のお部屋の雰囲気と設置された状態の違いを目の当たりに感じることになります。

ここでは日常暮らし慣れたお部屋にステンドグラスが設置されるとどのような変化を感じるのかを書き綴ってみます。

実例として、某ハウスメーカーで新居を建てられたのですがステンドグラス設置を検討されるのが少々遅く、ステンドグラスの施工が新築工事終了後に及んでしまった例です。

西側に面した玄関ドア上方吹き抜け部分に約280mm×280mmの小さなFIX窓が4枚開けられています。西日が良く当たるまずまずの条件でした。
写真を比較すると一目瞭然、ご覧の通りです。そこに色の付いたガラスが入っているか否かでは空間のしまり具合が随分違います。しかしここまでは当然と云えば当然なお話しです。
ここで私がお話したいのは、写真には写らない何かしら「空気感」とでも云うような不思議な感覚を体験したお話です。
(怖いお話ではありません)

施工は内装外装ともすっかり仕上がっているので、傷や汚れを付けないよう細心の注意を払いながらも普段通り終え、2階廊下からステンドグラスを正面に見て、「西日に映えるブルーがいいねー」なんて感じていました。
道具を片付け写真撮影の為カメラを持って玄関に足を一歩踏み入れた時でした。
施工する前とは明らかに違う、何かしら漂うクールな感覚。人の少ない水族館の様な静かで落ち着いた空気。今、ブルーのステンドグラスを取り付けたと云う実感と正面から見たブルーのガラスが綺麗だったと云う先入観がそう感じさせるのか、その位置からはステンドグラスが直接見えないのに明らかに違う「気配」の様なものを感じました。その時、仕事として普段扱っているステンドグラスの影響力の大きさを改めて教えられた様な気がしました。「んー ステンドグラスの効果ってこういう事なんだな」と。

その時味わった感覚が鮮烈だったので、この事例は今も記憶に残っているのですが、改めてその状況を分析してみます。

私たちが手と目を駆使して作っているのは「ステンドグラスパネル」という色板ガラスや鉛を材料とする言うなれば明確な形のある「物」です。
制作過程に於いては常にそれらの「物」を相手にしていますから、「この画面の中でこの色は間違っていないか」とか、「直線はまっすぐに通っているか」また、「あのお部屋の内装や家具調度品とのバランスが取れているか」などステンドグラスとそれを取り巻く「物」にのみに注目しています。しかし実際にその部屋にステンドグラスを設置して気付くのは「物」が影響を及ぼす「空間」です。どんな物であれその空間にそれがある時、その物はその空間に何らかの影響を及ぼします。ただステンドグラスの場合はその空間を照らす「光」に直接的に影響を及ぼすのです。光がなければその空間を構成している壁面や床も見えない訳ですから、その根本的な「光」が色をはらんでいる事による影響力の大きさは当然と言えば当然です。

ステンドグラスが長い歴史を持つ教会に於いて必要不可欠と判断され衰退しなかった理由は、教会という日常の生活とは次元の違う空気感を演出するのに最適だった為です。現代の住宅に於いてもステンドグラスは窓を彩ると同時にその空間の次元を変える役割をも持っていると云う一例でした。


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ステンドグラスの基礎知識 はじめに 玄関吹き抜け写真ステンドグラスのある時とない時


ステンドグラスの基礎知識 はじめに ダインイングキッチン写真あまり目立たないけどさり気なく在るステンドグラス